身体解放のメリット
① 会社や学校を辞めずに済む可能性がある。
② 裁判に向けて、十分な準備をすることができる。
起訴前の身体解放(釈放)
逮捕後、起訴される前に身体解放されることを「釈放」と呼びます。釈放されるタイミングはいくつかあり、それぞれ、弁護士による働きかけが欠かせません。
1. 送致後24時間以内の身体解放
勾留請求前の検察官に対し、弁護士が“勾留の要件が満たされない”ことを訴える旨の意見書を送ります。被疑者の誓約書や、家族が被疑者を監督する旨の文書も添付します。
これらの書類の内容を検察官が認めることで勾留請求が受け入れられ、被疑者は釈放されます。
2. 勾留決定前の身体解放
勾留請求されてしまった後でも、弁護士から裁判官に対し“勾留決定をするべきではない”旨の意見書が提出できます。勾留請求前と同じく、被疑者の誓約書や、家族が被疑者を監督する旨の文書も添付します。
これらの内容が認められ、裁判官が勾留しないと判断すれば被疑者は釈放されます。
3. 勾留決定を覆す
勾留決定後でも、“勾留決定に対する準抗告”という手続きで、弁護士から不服を申し立てることができます。
これを受け、勾留決定をした裁判官とは別の3人の裁判官が、勾留決定が妥当であったかどうか審議し、妥当でないと判断されると被疑者は釈放されます。
4. 勾留の取消、勾留執行停止による身体解放
勾留取消請求は、勾留決定後、“勾留の要件がなくなった”と判断された場合に認められます。
勾留の執行停止は、被疑者本人の入院や学校の試験、両親など近親者の死亡といった急用の場合に限り認められます。
起訴後の身体解放(保釈)
起訴後、「保釈」という形で身体を解放されることもあります。逮捕された芸能人などが保釈される様子を、テレビで目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
1. 保釈とは
起訴前の身体解放が「釈放」なのに対し、「保釈」とは、起訴後に認められる身体解放の手段です。起訴後、刑事裁判にかけられている人が、裁判所にお金を預けることで一時的に解放されることをいいます。
2. 保釈のメリット
拘置所では、弁護士と接見できるタイミングや時間が限られますが、保釈されれば、弁護士との接見が制限されることはありません。裁判に向けて十分な準備をすることができます。
3. 保釈の種類
権利保釈
以下の刑事訴訟法89条各号に該当する事由がない場合、保釈請求が認められなければなりません。
- ①被告人が死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
- ②被告人が前に死刑又は無期若しくは長期10年を超える懲役若しくは禁錮に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき。
- ③被告人が常習として長期3年以上の懲役又は禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
- ④被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
- ⑤被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき。
- ⑥被告人の氏名又は住居が分からないとき。
裁量保釈
刑事訴訟法89条各号に該当する事由があっても、被告人が逃亡したり罪証を隠滅したりする可能性が低い場合は、保釈が認められることもあります。これを裁量保釈といいます。
4. 保釈が認められるためのポイント
ポイントは、以下の2つです。
①被告人が証拠を隠滅するという疑いがないこと。
②被告人が逃亡するという疑いがないこと。
上記の2点を示すために、身元引受人の存在が重要です。
5.保釈保証金
保釈には、保釈保証金が必要です。被告人の出頭を保証するのに相当な額が設定され、150~300万円が相場と言われています。著名人や資産家などは高額になるケースが多いです。
解決プラン釈放・保釈をするためには?
逮捕直後であればあるほど、身体解放の機会・手段は増えるので、早期に刑事事件専門の弁護士に依頼しましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件・少年事件に特化した弁護士による無料の法律相談を行っています。最短で逮捕当日に、弁護士が直接本人のところへ出張面会する初回接見サービスもご用意しています。ご自身や大切な家族が逮捕されて困ったら、ぜひご相談ください。