強制性交等とは
強制性交等罪は、「13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交または口腔性交を行った」場合に成立する犯罪です。
13歳未満の者に対しては暴行又は脅迫を用いたことは必要はなく、性交等を行ったことのみで成立します。
「暴行又は脅迫」とは被害者は反抗をすることができない程度のものをいいます。具体的には、縄で縛ったり、押さえつけて暴行を加えたりした場合のことを言います。
強制性交等罪には罰金刑はなく、5年以上の懲役刑に処されることになります。
準強制性交等罪とは
準強制性交等罪とは「人の心神喪失若しくは抗拒不能を利用し、又は心神喪失若しくは抗拒不能にさせて性交等をした」場合に成立する犯罪です。
準強制性交等罪は罰金刑はなく、5年以上の懲役刑に処されることになります。
例えば、強いお酒をたくさん飲ませ、泥酔させたうえで、抵抗ができない状態の人物に性交等をする場合に本罪が成立し、実刑になった場合には罰金刑で処されることはなく、懲役刑に付されることになります。
監護者性交等罪とは
監護者性交等罪は「18歳未満の者に対してその者を現に監護する者が監護者としての影響力を利用して、姦淫、肛門性交、口腔性交を行った」場合に成立する犯罪です。
「監護者」とは18歳未満の者を保護、監督している者のことをいいます、
「監護者」にあたるかどうかは事実上、親と同等に保護、監督しているかどうかで判断されます。
監護者性交等罪は罰金刑はなく、懲役5年以上に処されることになります。
例えば、親や養親が子供に対して性交等を行った場合に、実刑が下された場合には罰金刑になることはなく懲役刑に付されることになります。
改正による罪状の変化
・男性も本罪の被害者に含まれた
改正前の本罪の被害者は女性のみを対象としていましたが、改正により男性も被害者の対象となりました。
・親告罪ではなくなった
改正前は親告罪、つまり告訴がなければ公訴を提起することができない犯罪でした。しかし、改正後、非親告罪となったことで、告訴がなくとも公訴ができるようになりました。
・性交のみではなく、肛門性交、口腔性交も本罪の対象になった
改正前は肛門性交や口腔性交は強制わいせつ罪でしか処罰することができませんでしたが、改正により強制性交等罪として厳罰化の対象となりました。
身柄拘束されてしまった場合
もし、強制性交等罪などの嫌疑をかけられた場合、突然逮捕、勾留されることにより身柄を拘束される場合があります。身柄拘束が長期化した場合、その間学校や仕事には当然行くことができなくなるので、日常生活に多大な影響を及ぼすことになります。
日常生活を取り戻すためにも少しでも早く身柄を解放される必要がありますので、そのためには弁護士による保釈等の不服申し立てを行うことが有用です。起訴される前の準抗告という不服申し立てには費用は掛かりませんが、起訴後の保釈請求という不服申し立てをした場合には、保釈保証金という費用が必要になります。このことから、出来るだけ早く弁護士が対応していくことが重要になります。刑事事件専門弁護士であれば、より豊富な経験と知識をもとに早期の身柄解放活動を行うことができます。
強制性交等罪等を起こしてしまったら
・すぐに弁護士に相談する
少しでも早く弁護士に相談することが重要です。
逮捕されている場合には、すぐに接見に行き、事情を聞いたうえで取り調べにどのように対応すべきかをアドバイスします。そして、早期の身柄解放のための活動にすぐに取り掛かります。
・被害者と示談する
本罪は被害者が存在する犯罪です。そこで、被害者に対して、謝罪や被害弁償を早期に行うことで、警察が未介入の場合には、事件が発覚する前に解決することができます。すでに警察が介入した後だとしても、謝罪や被害弁償を行ったという事実から、早期の身柄解放や処罰の軽減が見込まれる可能性が高くなります。
否認する場合
自分は強制性交等にあたる行為はしていないとして犯罪成立を争う場合、まず捜査機関の取調べにおいて不利益な書面を作成されないようにすることが必要になります。取り調べにおいてどのような対応をすべきなのか、取り調べをうけるにあたりどのような権利があるのかを事前に弁護士から聞いておくことで、不利益な書面が作成されることを防ぐことができます。
また、弁護士が直接本人から事件のことに関する供述を正確に聞き取り、書面として証拠化することも可能です。そして本人の言い分をもとにその言い分を裏付ける有利な証拠を収集します。
前科を避けるためには
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