刑事事件と民事事件の違い

刑事事件と民事事件の違い

刑事事件とは，犯罪が成立するか，どのような刑罰を科すかについて，判断するための手続であり，民事事件とは，人と人との間の権利義務関係や，法律関係について判断するための手続です。
刑事事件では，犯罪という社会的出来事が問題になっているために，検察官が，公益の代表者として，手続に関与します。一方，民事事件では，基本的に個人間の問題が取り扱われるために，弁護士だけが手続に関与することになります。
また，上記の違いから，刑事事件と民事事件の手続は，大きく異なっています。

刑事事件の特色

刑事事件の特色は，主には以下の３点が挙げられます。

１．警察官等による，強制的な捜査がある

刑事事件は，犯罪について審理・判断するものなので，公益性のために，一定の限度で，被疑者などの権利を制約して捜査を行うことが出来ます。たとえば，捜査にあたって，被疑者が関係者に接触するおそれがある場合や，処罰を恐れて逃亡するおそれがある場合には，被疑者を逮捕・勾留し，その身体を警察署などに留め置いて捜査を遂げることが出来ます。この逮捕・勾留中は，家に帰ることも，仕事に行くこともできないといった，非常に大きな不利益を被疑者は被ります。そこで，弁護士としては，被疑者の被る不利益が，必要最小限に留まるように，動いていくことになります。

２．短期間で手続が進む

先ほど書いたように，刑事事件では，被疑者を逮捕・勾留することにより，被疑者の身体を拘束したうえで，手続を進めることが出来ます。もっとも，やみくもに被疑者に不利益を被らせることは出来ないので，逮捕・勾留は，最大で２３日間しか認められておらず，検察官は，原則として，この期間内に，被疑事実についての起訴不起訴の判断をすることになります。そこで，弁護士としても，その期間内に，出来るだけ被疑者にとって有利な事情を集め，検察官に主張していくことになります。

３．有罪になれば，前科が付く

民事事件では，裁判で負けたとしても，お金を支払ったり，土地を明け渡したりすれば終了しますが，刑事事件では，起訴されて有罪になると，前科がついてしまいます。前科が付くと，一部の資格について，取得できなくなったり，停止されるなど，一時に留まらない不利益が生じます。

民事事件とは異なる刑事事件！うまく対応していくためには？

ここまで見てきたように，刑事事件は，手続の点でも，結果の点でも，民事事件とは大きく異なります。そのため，刑事事件においては，刑事事件に習熟した弁護士に依頼することが重要になってきます。

刑事事件に強い弁護士

以下の点から，刑事事件では，刑事事件に強い弁護士に依頼するべきです。

刑事事件に強い弁護士は，迅速・的確な対応により，最善の結果を得ることが期待できます。
限られた時間の中で十分な弁護活動を行うためには，早い段階から積極的に動くことが大切です。
刑事事件に適切に対応し，不利益を避けたい場合は，一刻でも早く弁護士に相談することをお勧めします。

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