無実を証明するためには、起訴を防ぐことが大切
捜査機関は誰かが罪を犯したのではないかと疑った場合、徹底的に捜査して、被疑者(マスコミ用語での容疑者のこと)に対し、厳しい取り調べをします。
冤罪であり身の潔白を証明したい場合には、圧力に屈せず真実のみを伝えることが大切です。取り調べで圧力をかけられて嘘の自白をしてしまうと、その後、とても不利な状況になってしまいます。
事件が起訴され裁判となってしまった場合には、有罪判決が下される確率は、なんと99.9%にものぼります。つまり、有罪の判決を受けないためには「起訴されない」ことがもっとも大切になります。
というのも、99.9%の有罪率というのは、あくまで検察官が事件を起訴して裁判にかけられた場合の話です。
逆にいうと、検察官側は、「間違いなく裁判で有罪が取れる」と判断した場合でなければ事件を起訴しないのです。実際、検察官が警察から送致を受け、捜査をする事件のうち、起訴されるものの割合は40%程度です。
それでは、起訴を防ぐためにはどうすればよいのでしょうか。
嘘の自白は絶対にしない
検察官が起訴するか不起訴にするかを決めるためには、自白の有無が極めて重要な要素です。
自白は、たとえ内容が嘘であろうと、裁判で被告人の有罪・量刑を決める重要な証拠という扱いになってしまいます。その結果、冤罪が生じることになるのです。
嘘の自白をしてしまいやすいタイミングは、逮捕後間もない弁護士がついてない時期です。この時期は精神状態がもろくなってしまうので、圧力に負けて嘘の自白をしてしまいがちです。
嘘の自白を証拠とされないためにも、逮捕されたらすぐに刑事事件に強い弁護士を付け、取調べを受けるにあたってのアドバイスをもらうことが大切です。
もしも嘘の自白をしてしまったら、検察官が起訴を決定する前に、その自白は嘘であることを主張し、起訴のための判断材料にしないように働きかけていく必要があります。
取調べに適切に対応する
取調べを受ける際に、自分にとって有利・不利な事情を適切に判断するのはとても難しいことです。
そこで、刑事事件に強い弁護士をつけることで、何が有利な事情で何が不利な事情なのか、そもそも取り調べの際に話をすべきなのか、黙秘するべきなのか、といったアドバイスができます。
すでに逮捕されている場合でも、取り調べが始まる前に接見に行き、取り調べの際の対応について、指導や助言をすることができます。
違法・不当な取り調べを阻止して冤罪を防ぐ
捜査機関は、被疑者に自白をさせたいあまり、ときには違法・不当な取り調べをして、自白を強要してくることがあります。そんなときも、弁護士がいれば、そのような不当な行為をやめてもらうことができます。弁護士から警察・検察などの捜査機関に抗議をすることで、違法・不当な取り調べをストップするよう働きかけることができます。刑事事件に強い弁護士であれば、なおよいでしょう。
~違法・不当な取り調べの具体例~
- 朝から夜まで、ずっと取り調べを行っている
- 接見要請を無視した取り調べを行っている
- 暴力的、脅迫的な態度で取り調べを行っている
- 「共犯者が話した」など、決定的な証拠があるからと自白を誘導する
- 「自白すれば逮捕しない」「不起訴になる」「執行猶予になる」などと言われた
アリバイなど、有利な証拠を探す
取り調べの対応以外には、アリバイなどの証拠を探すことで、無実を証明して冤罪を防ぐという方法があります。
逮捕されている場合はもちろんですが、逮捕されていない場合でも、容疑者とされた人が自力でアリバイなどの有利な証拠を見つけるのには限界があります。そんなときは、刑事事件に強い弁護士の力と知恵を借りましょう。
それでも起訴された場合は?
冤罪であることを主張したにも関わらず、裁判所に起訴された場合、弁護士は無罪判決を勝ち取るために活動することになります。
捜査機関が提出した証拠に穴がないか、都合の悪い証拠を隠していないか、被害者や証人の言い分が本当に信用できるのか、といった点から、全力を尽くして依頼者の無罪を主張していくことになります。
おわりに
無実を証明するといっても、法廷ドラマのように裁判の場で逆転無罪を勝ち取る、ということはめったにないのが現実です。取り調べの段階から適切な対応をとり、裁判にならないよう、不起訴処分に持ち込むことこそが何よりも重要なのです。
取り調べを受ける状況に置かれたら一刻も早く、刑事事件を専門に扱う、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談ください。