逮捕の種類とその要件
通常逮捕
通常逮捕とは、裁判官が出す「逮捕することを許可する」という令状に基づいて逮捕することを指します。逮捕令状が出される条件として、「逮捕の理由」と「逮捕の必要性」があります。裁判官は、捜査機関から提出された資料に基づき逮捕するかどうかを検討し、この2つの条件がそろっていると認めた場合に、逮捕令状を出します。 ここでいう「逮捕の理由」とは、「罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」があることを指します。捜査機関が主観的に判断するだけでなく、客観的な証拠があり、裏付けがとれていることが必要になります。
逮捕の必要性にとは、言葉通り犯人を逮捕する必要性があると判断された状態です。よほどの例外でない限り、逮捕の必要性はあると認められているのが現状です。
現行犯逮捕、準現行犯逮捕
現行犯逮捕
「現に罪を行い、又は現に罪を行い終った者」を「現行犯人」といいます。現行犯逮捕の場合、犯行及び犯人が明白であることから、通常逮捕とは異なり、逮捕令状は必要ありません。捜査機関だけでなく、一般市民も逮捕状がなくとも逮捕することが可能です。
準現行犯逮捕
現行犯でなくても、それに準じるものとして以下の条件のいずれかに当てはまれば逮捕することができ、これを「準現行犯逮捕」といいます。
1. 犯人として追呼されているとき
2. 盗んだものや、明らかに犯罪のために使用したと思われる凶器などを所持しているとき
3.体や服などに犯罪の証拠となる痕跡があるとき
4.呼び止められて逃走しようとするとき
緊急逮捕
重罪を犯したことが非常に疑わしいと思われる人については、逮捕状が出される前でも逮捕することができ、これを「緊急逮捕」といいます。
緊急逮捕をするためには、5つの条件があります。
1.死刑または無期懲役、もしくは長期3年以上の懲役・禁錮に該当するる罪であること
2.上記1の罪を犯したと疑うに足りる十分な理由があること
3.逃亡や証拠隠滅を防ぐためにすぐに逮捕する必要があり、裁判官の令状を求めることができないこと
4.逮捕後、直ちに逮捕状請求の手続きを行うこと
5.通常逮捕と同様に「逮捕の必要性」があること
逮捕された場合のデメリット
逮捕された場合に起こるデメリットは、主に以下の3つです。
長期間の身体拘束が続く可能性がある
逮捕され、さらに勾留された場合には、検察官が起訴するか不起訴にするかどうかの判断をするために最大23日間拘束されることになります。
学校、会社に事件のことが知られる可能性がある
逮捕によって、会社や学校を欠勤、欠席することになるので、会社や学校が不審に思い、家族に連絡する可能性があります。
また、場合によっては実名報道がされ、周囲に知られることもあります。学生の場合は実名報道がなくても、警察の協力制度により学校に連絡される場合もあります。
懲戒解雇、退学の可能性がある
逮捕されたことが会社や学校に知られた場合、最終的な処分が下る前に会社や学校側が早急に退職や退学をするように働きかけてくる可能性があります。
逮捕の可能性を少しでも減らすために、するべきこととは?
弁護士と一緒に警察に出頭し、自首する
警察や検察などの捜査機関に事件が発覚していない場合には、自首することも方法の一つとして考えられます。
自首は、自ら罪を認め反省していることから生じる行動です。自首したという事実があると、捜査機関は証拠隠滅や逃亡することはないと考えるので、逮捕される可能性は低くなります。
早急に示談をする
被害者がいる犯罪の場合には、弁護士を通じて被害者と早期の示談を行うことが大切です。 しかし、当事者同士で示談をしようとすると話がさらにこじれかねないため、第三者である弁護士を介して行う必要があります。
生活が安定し、逃亡するような環境でないことを捜査機関に伝える
仕事をしていること、真面目に通学していること、結婚しており家族がいることや両親と一緒に生活していることなど、生活が安定しているため逃亡する恐れはないということを弁護士を通じて捜査機関に訴えていきましょう。そうすることで、逃亡する可能性は低いと考え、警察や検察は逮捕に踏み切らない可能性が高くなります。
おわりに逮捕されないか不安なときには
逮捕されるか不安なら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。
刑事事件を専門に取り扱う弁護士が、直接無料相談を行います。
あなたやあなたのご家族の事件において、逮捕されないように全力でサポートいたします。