自首とは何か
自首とは、起こした犯罪について「捜査機関に発覚する前」(刑法第42条第1項)に、犯人が自ら捜査機関に申し出ることを指します。自首をする場合には、自分の罪や責任を認め、刑事処分を受けることを前提としていなければなりません。
自首と出頭の違い
自首が成立する場合
「捜査機関に発覚する前」という点が、自首と出頭を区別する大きなポイントです。
犯罪自体が発覚していないうちに罪を認めて名乗り出たり、犯罪自体は発覚していても犯人が誰かはわかっていない状態で罪を認めたりすると「自首」という扱いになります。
自首が成立しない場合
すでに犯人はわかっているにも関わらず居所だけがつかめていない、という状態で罪を認めると「出頭」という扱いになり、自首とは認められません。
自首をするメリット
逮捕されない可能性がある
自首したことで、逮捕の条件である「逃亡のおそれ」や「証拠隠滅のおそれ」がなくなり、逮捕されないという場合があります。
刑が軽くなる可能性がある
自首が成立すると、刑が軽くなる可能性があります(刑法第42条第1項)。ただし、刑が必ず軽くなるわけではありませんし、刑を科されなくなるわけでもありません。あくまでも「軽くなる可能性がある」ということを覚えておきましょう。
たとえば、詐欺罪の法定刑は10年以下の懲役ですが、自首が成立している場合には、処断刑の上限を5年以下として判断される可能性があります。
親告罪の場合
被害者側からの訴えである「告訴」がなければ、刑事事件として扱うことができない犯罪を親告罪といいます。たとえば、名誉毀損罪や器物損壊罪が親告罪にあたります。
親告罪の場合は、告訴されなければ裁判にはなりません。 告訴をする権利を持つ人(告訴権者)に対して、自ら犯罪の事実を申告したときにも、自首と同様に刑の減軽を受けられる場合があります(刑法第42条第2項、同条第1項)。
ただし、刑を軽減してもらうためには、犯人と犯罪の事実が告訴権者に発覚する前に、自分の犯罪事実を告訴権者に伝えなければなりません。
自首に向けた準備と注意事項
すでに捜査機関が犯罪の事実や犯人を知っている場合には出頭扱いとなり、自首は成立しません。
そのため、自首による刑の減軽を望むのであれば、できる限り早く管轄の警察署に伝える必要があります。ただし、その相手は検察官または巡査部長以上の階級の警察官でなければなりません。
口頭でも自首はできますが、事件の概要を記載した書面をあらかじめ作成したり内容を整理したりしておくと、スムーズに手続きを進めることができます。
自首をする前に弁護士に相談するとメリットが多い
犯罪にあたるかどうかがわかる
ある行為について自首しようと思っていても、そもそも犯罪に当たらないという場合もあります。
弁護士にご相談いただければ、その行為が犯罪に当たるかどうかを正確に知ることができます。
弁護士には守秘義務があるので、相談内容が他人に知られることはありません。犯罪でなければ、悩む必要もなくなります。
自首が成立するかしないかがわかる
弁護士と相談の上、犯罪に当たると判断された場合は、捜査機関に申告するべきか否かを決めましょう。仮に犯罪行為に当たるとしても、事情によっては申告する必要がないということもありえます。
弁護士にご相談いただければ、自首が成立するかしないかも判断することができます。
自首に同行してもらうこともできる
一人で自首しに行くのが不安という方には、弁護士が同行することもできます。さらに、自首をするときには、弁護士と事件の内容をあらかじめ整理しておくことで、手続をスムーズに進めることもできます。 一人で抱え込まず、弁護士と話すことで精神的に楽になることもありますので、とりあえず相談してみるというのもいいでしょう。
おわりに自首・出頭でお悩みの方へ
犯罪にあたりそうな行為をしてしまったことで、警察からの呼び出しが心配だったり、自首・出頭したいとは思っているものの、一人で警察に行くのは不安だったりする方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
弊所では、刑事事件・少年事件に特化した弁護士と専門スタッフが無料の法律相談を行っています。
出頭をご希望される方には、最短当日に弁護士が捜査機関まで本人と一緒に同行する付添同行サービスもございますので、お気軽にご相談ください。