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逮捕・監禁罪を犯してしまったら | 刑事事件の弁護士ならあいち刑事事件総合法律事務所

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逮捕・監禁罪を犯してしまったら

逮捕・監禁罪を犯してしまったら

知り合いの少年を車に監禁して連れまわした、自室に監禁して暴行を加えた、などの痛ましい事件を時折ニュースで目にすることがあります。
最近では児童虐待に絡む事件も増えており、子どもを外出させない、浴室に閉じ込めるなどの事案もあります。

もし、自分の子どもや知り合いなどが、このような残忍な事件の加害者になり逮捕されてしまった場合、早急に刑事事件専門の弁護士に相談することが重要です。
 
「しつけのつもりで子供の手と足を縛ってしばらく動けなくさせたり、物置に閉じ込めたりして鍵をかけた」
しつけのつもりでやってしまった上記のような行為でも、「逮捕・監禁罪」に問われる可能性があります。

ここでは、「逮捕・監禁罪」はどのような要件で成立するのか、どんな刑罰があるのか、さらに、他の犯罪や行為でも「逮捕・監禁罪」が成立するケースについて、解説します。

逮捕・監禁罪とは

逮捕・監禁罪とは、どのような要件で成立するのでしょうか?

またそれぞれの刑罰などについて説明します。

逮捕罪

逮捕罪は、人を「不法に」「逮捕」した場合に成立します。

逮捕罪が意味する「逮捕」とは、相手に、直接的な強制作用を加えて、場所移動の自由を奪うことです。

例えば、羽交い絞めにしたり、縄で縛って動けなくするなどの行為が「逮捕」に当たります。

“場所移動の自由が奪われる”と判断されるには、一定時間の経過が必要で、一瞬の行為であれば逮捕罪ではなく、暴行罪になる可能性があります。

過去に起きた事件では、わら縄で両足を縛って約5分間引きずり回した行為に、逮捕罪の成立を認めたものがあります。

監禁罪

監禁罪は、人を「不法に」「監禁」した場合に成立します。

「監禁」とは、相手を限られた場所から脱出できないようにする行為です。逮捕のように、押さえつけるなどの直接的な強制力を使わずに場所的移動の自由を奪うもので、部屋に閉じ込めて出られなくするなどが典型的な例です。

監禁の方法についてはいくつか類型があるので、以下で詳しく説明します。

まず、監禁の場所です。

典型的なのは部屋や物置といった建物内ですが、必ずしも壁で囲まれている場所でなくとも監禁は成立します。

例えば、オートバイの後部座席に人を乗せ、時速40キロで走行し、その人が降ろして欲しいと言っているのに走行し続けるという場合は、後部座席からの脱出が著しく困難になっているので監禁罪が成立します。

次に、建物内に人を閉じ込める方法として、鍵をかける以外にも、睡眠薬を飲ませて移動を不能にしたり、「そこを動くと殺すぞ」と脅迫して恐怖心による心理的拘束を加えることで移動を不能にしたりする方法でも監禁罪が成立します。

「不法に」の定義は?

「不法に」とは、逮捕や監禁を正当化する理由がないということです。

正当な「逮捕」とは、例えば警察官による被疑者の逮捕です。

これは、刑法35条にある法令行為です。また、一般人であっても、目の前で万引きやひったくりなどの窃盗罪が起きたので、犯人を取り押さえたなどの場合は、正当な理由がある「私人逮捕」にあたり、これも問題ありません。

「監禁」で正当性があるとされる一例は、認知症で徘徊癖のある老人を鍵のかかった部屋で生活させるなどです。これは、本人の安全を守るためになるので、正当な理由があるとみなされます。

上記のような正当な理由が見当たらない「逮捕」「監禁」は、罪に問われることになります。

逮捕・監禁罪の刑罰

逮捕・監禁罪ともに3月以上7年以下の懲役が科せられます。

これらの罪は、相手の自由を奪うもので悪質である場合が多いので、罰金刑はなく懲役刑のみです。

逮捕監禁が傷害や死亡につながるとさらに重い懲罰に逮捕・監禁を行う過程において、相手が怪我をしたり死亡してしまう事件が発生することもあります。

例えば、逮捕する際に相手を押し倒してしまい骨折させた、監禁したことにより相手がPTSDを発症させた、などのケースでは、それぞれ「逮捕致傷罪」「監禁致傷罪」に問われます。

逮捕時に相手の首を強く締めすぎて窒息死させてしまった、監禁した相手が監禁されたことに恐怖を感じて自殺してしまったなどの場合は、それぞれ「逮捕致死罪」「監禁致死罪」に問われます。

これらの罪の刑罰は、「逮捕監禁致傷」の場合、3月以上15年以下の懲役、「逮捕監禁致死」の場合は3年以上の有期懲役となります。

逮捕監禁致死傷で傷害の程度が重かったり、相手が死亡したりした場合には、実刑となる可能性が非常に高いです。

逮捕・監禁罪に問われる可能性があるケース

逮捕・監禁罪以外の犯罪や、その他の行為においても、逮捕・監禁罪が成立する場合があります。

それに該当するのはどんなケースなのか、いくつかの例を紹介します。

誘拐

誘拐はそれ自体が犯罪ですし、身代金目的で誘拐したケースでは無期懲役になることもあるほどの重罪です。

誘拐を実行するにあたり、監禁の手段をとることが多いため、多くの誘拐で「監禁罪」も成立しています。

例えば、未成年者を誘拐するにあたり、無理やり車に乗せて速いスピードで走行した場合、車から降りられないという場所的自由が奪われていることから「未成年者拐取罪」とともに「監禁罪」が成立します。

また、上記のように2つの犯罪が同時に成立するとき、通常は重い罪の長期を1.5倍した年数が処断刑の長期となりますが、場合によっては長期を1.5倍せず重い刑の法定刑が処断刑になる場合があります。

児童虐待

児童虐待においても、暴行罪や傷害罪とならび、逮捕・監禁罪が成立する場合があります。

例えば、冒頭で紹介した例のように、しつけと称して子どもを物置に閉じ込める行為は、懲らしめるためにほんのわずかな時間だけであれば、しつけとしてみなされるかもしれませんが、1~2時間以上などの長い時間、鍵をかけて閉じ込めた場合は「監禁罪」が成立します。

同様に、日常的な暴力で子どもを支配したうえで、「部屋から出たら殴るぞ」などと脅し、外出させない行為でも「監禁罪」が成立します。

私人逮捕

私人逮捕を、正当性のある逮捕として上述しましたが、例外となる場合もあります。

例えば、現行犯で私人逮捕した相手をすぐに警察に引き渡さず、自宅や車に閉じ込めておくなどの行為に及んだ場合は「監禁罪」に問われます。

逮捕後、すぐに警察に連絡し、警察が到着するまでの間だけ閉じ込めていた、または体を押さえていたなどの場合は罪に問われません。

私人逮捕した場合には、速やかに警察に通報する必要があります。

また、犯人と誤解して、罪のない人を誤って私人逮捕してしまった場合は「逮捕罪」に問われることはありません。単なる過失と見なされます。

逮捕・監禁事件を起こしてしまったら

子どもや知り合いが逮捕・監禁事件を起こして逮捕されてしまったら、まずは弁護士に連絡しましょう。

なるべく早く弁護士に相談する

逮捕・監禁罪は悪質なため、極めて軽微なものでない限りすぐに身体を拘束される可能性が高いです。捜査もスピーディに進んでいきます。

被疑者にとって有利な事情は、検察官の処分がなされるまでに提出しなければ意味がないので、被害者との示談交渉を進めたり、正当性の主張を検討したりする作業も早く行わなければなりません。

そのため、逮捕の知らせを受けたらいち早く、弁護士に相談する必要があります。

被害者との示談交渉を弁護士に依頼

逮捕監禁罪は、被害者側の告訴がなくとも起訴可能な事件類型で、不起訴となる見込みは低いです。 犯罪態様も悪質なので、示談交渉も難航することが予想されますが、被害者と示談することは、執行猶予判決を獲得するための大きなプラス要素となります。

また、被害者やその遺族の感情を考えると、加害者側が直接示談交渉しても、うまくいくとは考えにくいです。費用は発生しますが、示談交渉は弁護士に依頼するのがよいでしょう。

執行猶予が得にくい犯罪だからといって諦めずに、刑事事件を専門的に扱ってきた弁護士に相談してみましょう。

まとめ

上述した通り、逮捕・監禁事件は個人の自由を奪う悪質な犯行であることから、厳しい判決が出されることが多く、執行猶予を得ることも難しい場合があります。だからこそ、逮捕・監禁事件を数多く取り扱った経験のある、刑事事件専門弁護士へ相談することをおすすめします。

「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」には、刑事事件専門の弁護士が在籍しており、被疑者が逮捕された場合、最短で当日に本人のところへ接見に行く「初回接見サービス」を提供しています。逮捕監禁事件を数多く解決してきた実績を基に、執行猶予判決を獲得できるよう全力でサポートいたします。

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