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京都市下京区 無料相談 覚せい剤の強制採尿 | 刑事事件の弁護士ならあいち刑事事件総合法律事務所

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京都市下京区 無料相談 覚せい剤の強制採尿

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 京都支部

 

覚せい剤の強制採尿について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 京都支部が解説します。

京都市下京区に住むAさんは覚せい剤使用事件の被疑者として現在捜査を受けているところです。
Aさんが覚せい剤を使用したという証拠を集めるために下京警察署の警察官は尿を任意提出するように求めましたが、Aさんはこれに応じませんでした。
そこで警察官はAさんの承諾がないまま、令状の発布を待たずに自己の判断で強制採尿を行いました。
このような下京警察署の警察官の行為は認められるのでしょうか。
(この話は事実を基にしたフィクションです。)

~強制採尿~

本件でAさんは覚せい剤使用の容疑で捜査を受けていますが、このように被疑者に対して強制採尿を行うことは可能なのでしょうか。
また、可能であるとしてどのような場合に認められるのでしょうか。
今回は強制採尿について説明していきます。

まず、強制採尿は簡単には尿道にカテーテルを挿入することにより尿を強制的に採取することをいいます。
このような強制採尿により得られた尿は覚せい剤使用の決定的な証拠となり、また薬物使用事件は密行性が高い事件であるので強制採尿の必要性は高いといえます。
よって、覚せい剤使用の嫌疑のある被疑者に対して強制採尿をすることは可能であると考えられます。

しかし強制採尿は被疑者の身体への侵害行為であるとともに、その方法などから人格の尊厳を著しく害する捜査であり被疑者への精神的苦痛をも与える行為です。
なので、その必要性を考慮したとしても強制採尿を無制限に認めることは妥当でないと思われます。

そこで強制採尿は厳格な要件の下でのみ許用されると考えられます。
具体的には①被疑事件の重大性②嫌疑の存在③当該証拠の重要性とその取得の必然性④適当な代替手段の不存在等の事実に照らし、犯罪の捜査上真にやむを得ない場合に最終手段として適切な法律上の手続きを経て行う場合にのみ許容されるべきであります。

この考えを用いると、本件でも上記①ないし④の要件を満たしていた場合には強制採尿が認められるようにも思われます。
ただ各要件を満たしていたとしても、適切な法律上の手続きを得ているかどうか検討の余地があります。

では、どのような場合に適切な法律上の手続きを得ているといえるのでしょうか。
これについて過去の裁判例では身体への侵害のおそれが生ずる点について強制採尿と身体検査が共通することから身体検査令状に関する規定(刑事訴訟法第218条6項)を準用し、医師に医学的に相当と認められる方法により行われるとの条件が記載された捜索差押令状が発布された場合に適切な手続きを得たと認められると判断されました。

これを本件について見てみると、警察官は自己の判断で強制採尿を行っており令状の発布を受けていません。
よって、上記①ないし④の要件を満たしていたとしても本件強制採尿は認められない可能性が高いと考えられます。

~参考条文~
刑事訴訟法第218条6項 裁判官は、身体の検査に関し、適当と認める条件を附することができる。
覚せい剤取締法
第19条 左の各号に掲げる場合の外は、何人も、覚せい剤を使用してはならない。
一 覚せい剤製造業者が製造のために使用する場合
二 覚せい剤施用機関において診療に従事する医師又は覚せい剤研究者が施用する場合
三 覚せい剤研究者が研究のため使用する場合
四 覚せい剤施用機関において診療に従事する医師又は覚せい剤研究者から施用のため交付を受けた者が施用する場合
五 法令に基づいてする行為につき使用する場合
第41条の3 次の各号の一に該当する者は、10年以下の懲役に処する。
一 第19条の規定に違反した者
二 第20条第2項又は第3項の規定に違反した者
三 第30条の6の規定に違反した者
四 第30条の8の規定に違反した者

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