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兵庫県姫路市 無料相談 殺人罪の証拠隠滅 | 刑事事件の弁護士ならあいち刑事事件総合法律事務所

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兵庫県姫路市 無料相談 殺人罪の証拠隠滅

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 神戸支部

 

殺人罪の証拠隠滅について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

兵庫県姫路市に住むAさんとBさんは以前から仲の悪かった姫路駅付近に住むVさんを殺してしまおうと考え、Bさんが身体を押さえつけてAさんは事前に準備していた包丁でVさんを刺し殺しました。
その後Bさんは事件に使用した包丁が警察に見つかってしまうと自身が姫路警察に逮捕されてしまうのではないかと考え、その包丁を海に投げ捨てました。
このような場合、AさんとBさんにはどのような罪が成立するのでしょうか。
(この話は事実を基にしたフィクションです。)

~証拠隠滅罪~

最初に本件でAさんとBさんは協力してVさんを刺し殺しているところ、AさんとBさんの行為には殺人罪の共同正犯(刑法60条・199条)が成立すると考えられます。
次にBさんは事件に使用した包丁を海に投げ捨てていますが、この行為に証拠隠滅罪(刑法104条)は成立しないのでしょうか。
今回はどのような場合に証拠隠滅罪が成立するか説明していきます。

証拠隠滅罪は刑法の条文で以下のように定められています。
刑法104条 「他人の刑事事件に関する証拠を隠滅し、偽造し、若しくは変造し、又は偽造若しくは変造の証拠を使用した者は、2年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。」
この条文から①「他人の刑事事件」に関する②「証拠を隠滅」したといえる場合に証拠隠滅罪が成立するとわかります。
以下、本件においてBさんの行為が①と②の要件をみたすか検討していきます。

まず、「証拠を隠滅」したといえるかを検討していきます。
この条文における「証拠」とは犯罪の成立などに関する証拠資料全般をいうと考えられていて、事件に使用された包丁も「証拠」に含まれると思われます。
そして「隠滅」とは証拠が発見されることを妨げる又は証拠としての価値を滅失・減少させる行為をいうところ、海に包丁を投げ捨てることで発見が難しくなるのでこのような行為は「隠滅」に当たると考えられます。
したがって、Bさんは「証拠を隠滅」したと判断される可能性が高いです(②)。

では、本件はBさんにとって「他人」の刑事事件といえるのでしょうか。
本件でBさんはVさんを刺し殺すのに使用した包丁を海に投げ捨てていますが、この事件はAさんとBさんが協力して行われています。
本件のように共犯者の事件の証拠を隠滅する場合にも「他人」の刑事事件に関する証拠を隠滅したといえるのでしょうか。

これについて共犯者間では証拠が共通することが多いので、共犯者の刑事事件をすべて「他人」の刑事事件に当たると考えると広く証拠隠滅罪の成立を認めることになってしまい被告人にとって酷な結果となります。
しかし共犯事件に関する証拠においても一部の者のみに関わる証拠もあり得るところ、そのような場合にも「他人」の事件にあたらないとするのは妥当ではないようにも思われます。
なので、もっぱら共犯者のためにする意思で隠滅行為をした場合には「他人」の刑事事件にあたると考えるのが一般的です。

本件ではBさんは自身が逮捕されるのを避けるために包丁を海に投げ捨てています。
とするとBさんはもっぱら共犯者Aさんのためにしたのではなく、自己のために証拠を隠滅したと判断される可能性が高いです。
もしこのように判断された場合、本件はBさんにとって「他人」の刑事事件には当たらないことになります。

そしてその場合、Bさんの行為は①の要件を満たさないのでBさんの行為には証拠隠滅罪が成立しません。
したがって、AさんとBさんはともに殺人罪の共同正犯の罪責のみを負うと考えられます。

~参考条文~
刑法60条 二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。
刑法199条 人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。

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