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東京江東区 逮捕 強制わいせつ | 刑事事件の弁護士ならあいち刑事事件総合法律事務所

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東京江東区 逮捕 強制わいせつ

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 東京支部

 

強制わいせつ罪について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。2021年7月7日午後0時30分ごろ、Eは、江東区の路上にて自転車を漕いでいた際、道路の向かい側で女子大学生Wが一人で歩いているのを見かけた。そこで、Eは、わいせつ目的で、すれ違いざまに正面からWの胸を触ったが、自転車のスピードが予想以上に速かったため、Wは転倒し、腰部捻挫という全治2か月の怪我を負った。Eはすぐさまその場から逃げ出したが、Wの通報により、東京湾岸警察署に逮捕された。この場合、Eは何の罪に問われるでしょうか。

(この話は事実をもとにしたフィクションです)

 

・強制わいせつ罪の成否

近年における性犯罪の実情に鑑みて、2017年に刑法が一部改正されたように、性犯罪に対する社会の関心は以前より高まっているといえます。今回のケースでは、性犯罪の中でも代表的な夜道の痴漢について、被害者が怪我を負った場合です。この場合、どのような成立するのか、以下検討します。強制わいせつ罪については刑法176条、強制わいせつ致傷罪については刑法181条に記されています。

 

第176条(強制わいせつ)

13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

 

第181条(強制わいせつ等致死傷)

1 第176条、第178条第1項若しくは第179条第1項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は3年以上の懲役に処する。

2 第177条、第178条第2項若しくは第179条第2項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は6年以上の懲役に処する。

 

まずは、強制わいせつ罪の成否から検討していきます。

犯罪が成立するには、「構成要件に該当し違法且つ有責な行為」である必要があるので、構成要件に該当するか、から検討します。

第一に、「13歳以上の者に対し」ですが、これは本条における保護法益(簡単にいうと、条文が保護しようとしている利益)が個人の性的自由であるので、性的自由について判断する能力があるとされている13歳以上の者についてはその判断を困難にする暴行又は脅迫を要件とし、性的自由について判断する能力がないとされている者については暴行又は脅迫を要件としないとするものです。

今回のケースでは、被害者であるWは女子大学生ということなので、少なくとも「13歳以上の者」であるといえます。よって、「13歳以上の者に対し」に該当します。

 

第二に、「暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者」です。まず、「暴行」とは、「人の身体に対する不法な有形力の行使」を指し、「脅迫」とは、「害悪の告知」を指します。そして本罪における「暴行又は脅迫」の程度は、「被害者の反抗を著しく困難ならしめる程度のものである」ことが必要であるとされています。これは強盗罪(刑法236条)における「暴行又は脅迫」の程度よりは軽度のものでよいということです。判例では、かつての部下に対して暴行、脅迫を加えてわいせつな行為をした事案において、「暴行・脅迫自体は必ずしも強度のものとはいえず、被害者が完全に反抗を抑圧された状態に至っていたとはいえないが、本罪の暴行・脅迫は被害者の意に反してわいせつな行為をする程度で足りる」として強制わいせつ罪が成立すると判示しています(神戸地判平17・9・16)。次に、「わいせつな行為」とは、「いたずらに性欲を興奮又は刺激せしめ、かつ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する行為」を指します。簡単にいうと、相手方が性的に嫌がる行為です。例えば、無理やりキスをする行為や、裸にして写真を撮る行為です。なお、本罪はわいせつな行為をする手段として暴行・脅迫を用いる場合を想定していますが、暴行・脅迫自体がわいせつな行為である場合にも本罪が成立します。例えば、すれ違いざまに女性の胸を触る行為や、無理やり陰部に指を挿入する行為などです。今回のケースでは、Eはすれ違いざまにWの胸を触りました。Eはわいせつな行為をする手段として、Wに対して暴行・脅迫を行っていませんが、前述したように、暴行・脅迫自体がわいせつな行為である場合にも本罪が成立するので、Eは「暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者」に該当します。

以上より、Eの行為は176条に該当するといえます。

 

次に、181条を検討します。今回は1項を検討します。

第一に、「第176条、第178条第1項若しくは第179条第1項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し」ですが、上記の通り、Eの行為は176条に該当するので、「第176条、第178条第1項若しくは第179条第1項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し」に該当します。

第二に、「よって人を死傷させた者」です。本罪は、強制わいせつ罪等の結果的加重犯(簡単にいうと、軽い罪を犯し、重い罪の結果を発生させた場合に重い罪が成立する犯罪のこと)なので、強制わいせつ罪等と死傷結果との間に因果関係が必要です。今回のケースでは、EがWの胸を触った結果、Wは転倒し腰部捻挫という全治2か月の怪我を負ったため、両者の間に因果関係があるといえます。よって、Eは「よって人を死傷させた者」に該当します。

 

次に、違法性と責任ですが、違法性に関しては正当防衛(36条1項)などの事実はなく、責任に関してもEは心神喪失者等でないので、以上見てきたことをまとめるとEの行為に強制わいせつ致傷罪(181条)が成立するといえそうです。

 

・被害者の承諾の有無と性的意図

刑罰について解説する前に、もう少し強制わいせつ罪について解説します。

今回のケースでは、胸を触る行為につき、被害者の承諾はありませんでしたが、仮に被害者が承諾していた場合はどうなるのでしょうか。

前述したように、強制わいせつ罪の保護法益は、個人の性的自由、つまり被害者の性的自由であるので、被害者が承諾していた場合、かかる自由が侵害されていないので、本罪は成立しません。もっとも、被害者が13歳未満の場合には、たとえ承諾があったとしても、本罪が成立します。なぜなら、13歳未満の者には、わいせつ行為の意味を判断する能力がないと法律が判断しているからです。なお、被害者が13歳未満であるにもかかわらず、行為者が被害者を13歳以上であると誤信していた場合には、故意がないとして、本罪が成立しません。

また、仮に行為者が性的意図(わいせつ目的)がなくわいせつ行為を行った場合はどうでしょうか。例えば、報復目的で裸の写真を撮る場合などです。

従来の判例では、本罪の保護法益が性的自由である点を重視し、性的意図も必要であるとしていましたが、近年の判例(最大判平29・11・29)で、最高裁は、「強制わいせつ罪の成立要件を解釈するにあたっては、被害者の受けた性的な被害の有無やその内容、程度にこそ目を向けるべきであって、行為者の性的意図を同罪の成立要件とする昭和45年判例の解釈は…もはや維持し難い。」と判示しており、性的意図は不要であるというのが有力です。そのため、今回のケースでEがわいせつ目的を有していなかったとしても、強制わいせつ致傷罪の成立は妨げられないということになります。

 

・刑罰について

では成立したとしてどのような刑罰が科せられるでしょうか。本条では、「無期又は3年以上の懲役に処する。」と書かれています。よって、期間に関しては「無期」又は「3年以上20年以下」となります。

 

・まとめ

よって、Eの行為は強制わいせつ致傷罪(181条)にあたり、「無期」又は「3年以上20年以下」の懲役が科せられるということになります。

刑に関しては、初犯か、前科を持っているか、などによって変わります。

 

東京湾岸警察署 〒135-0064 東京都江東区青海2丁目7-1 TEL:03-3570-0110

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