福岡天神 逮捕 私選弁護人とは
- 2021.07.15
- コラム
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 福岡支部
私選弁護人について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
天神駅付近に住むAさんの妻Bさんは、福岡県中央警察署から「旦那さんを盗撮で逮捕しました。」との連絡を受けました。
突然の逮捕に驚いたBさんは、まずは旦那と面会しようと思い警察に連絡しましたが、「しばらくは面会できない」と断られてしまいました。
そこで、Bさんは弁護士に接見してもらうべく、刑事事件に強い法律事務所に接見を依頼しました。
Bさんは、弁護士の接見後の報告を受け、その際、私選弁護人と国選弁護人の違い、私選弁護人を選任するメリットなどについて説明を受けました。
(フィクションです)
~私選弁護人とは~
私選弁護人とは、被疑者・被告人、あるいはその関係者(ご家族など)が自ら選任した弁護士のことです。
なお、法律上、選任した後の弁護士のことを「弁護人」といいます。
~私選弁護人のメリット~
私選弁護人のメリットは
いつでも選任できる
自分で選任できる
という点です。
いつでも選任できるというのは、逮捕前はもちろん、被害者から捜査機関に被害届や告訴状を提出されて刑事事件化する前も含みます。
この段階で弁護活動できれば、逮捕を回避できたり、刑事事件化を回避できて、捜査機関から取調べなどの捜査を受けたり、裁判で懲役・罰金などの刑罰を科されることもなくなります。
また、刑事事件のことがもっとも報道されやすいタイミングが逮捕されたときです。
事件のことが報道されると仕事、学校、近所付き合いなど、今後の生活に大きな影響を及ぼしかねません。
そのため、今後の生活を考える上で逮捕を回避することはとても重要なことなのですが、私選弁護人はそのために力を貸してくれる存在です。
次に、自分で選任できるというのは、時間の許す限り、様々な法律事務所を訪問して、刑事事件に精通した弁護士、自分と相性のあう弁護士を見つけることができるということにつながります。
刑事事件に精通していること、自分と相性が合うこと(円滑に意思疎通を図れること)は刑事事件を乗り切る鍵といっても過言ではありません。
~私選弁護人のデメリット~
他方で、私選弁護人のデメリットは弁護士費用が高額ですべて自腹で負担しなければならないという点です。
弁護士費用は
自白事件か否認事件か
単独事件か共犯事件か
在宅事件か身柄事件か
などによって大きくことなりますが、最低でも33万円程度の費用はかかります。
~その他の弁護士(弁護人)~
刑事事件では私選弁護人のほかにと当番弁護士と国選弁護人がいます。
当番弁護士は、逮捕直後から、1回に限り無料で接見してくれる弁護士です。
逮捕された直後に、警察官に「当番弁護士と接見したい」といえば、警察官が弁護士会に連絡を入れてくれます。
当番弁護士は弁護士会から派遣されますが、選ぶことはできません。
また、活動は1回限りの接見のみで、その後の釈放に向けた弁護活動などは行ってくれない点に注意が必要です。
国選弁護人は裁判所によって選ばれる弁護人です。
国選弁護人は逮捕を経て勾留決定を受けた後に選任される被疑者国選弁護人と、在宅事件で起訴された後に選任される被告人国選弁護人がいます。
いずれも条件をクリアした方のみに選任されます。
被疑者国選弁護人と被告人国選弁護人に共通した条件は「資力が50万円以下」という点です。
加えて、被告人国選弁護人は起訴された事件が「死刑又は無期若しくは長期3年を超える懲役若しくは禁錮に当たる事件」という条件が必要です。
国選弁護人の弁護士費用は原則として無料ですが、弁護士を自分で選べない、逮捕前、逮捕直後は選任できないという点が私選弁護人と大きくことなる点です。
福岡中央警察署 福岡市中央区天神1丁目3-33 092-743-0110