京都府八幡市 無料相談 業務上横領
- 2020.02.02
- コラム
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 京都支部
業務上横領罪ついて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 京都支部が解説します。
京都府八幡市にある小売店で働く店長のAさんは、ギャンブル等の遊興費に多額のお金を費やした上に、住宅ローンなどの支払いも3か月間滞り、銀行から支払いの催促を求められていました。Aさんは、親や妻から消費者金融や闇金にだけは手を出すな、と言われていたことからお金の宛がなく、最終的に、会社のお金を横領して何とか現状を乗り切ろうと考えました。Aさんはお店の売上金集計して会社に報告することになっていたところ、売上金を少なく申告してその差額を自分の懐にいれてるということを繰り返し、9か月間で合計約120万円を横領しました。そうしたところ、Aさんは、不審に感じた会社の会計監査から突然、事情を聴かれ、売上金を横領したことを認めました。Aさんは全額一括返済しなければ京都府八幡警察署に業務上横領罪で刑事告訴すると言われています。困ったAさんは今後の対応につき、業務上横領罪に詳しい弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)
~ 業務上横領罪 ~
業務上横領罪は、
・顧客から集金した現金を横領し、会社には、未収金として報告するケースなど、集金業務を担当する従業員による横領
・売上金の管理など金銭管理を担当する店長や支店長が、会社に売上額を少なく申告したうえで、差額を横領するケースなど、店長、支店長クラスによる横領
・経理を担当する従業員が会社の預金口座から自分の口座に振り込んで横領するケース、あるいは第三者と共謀して架空の請求書を出してもらい会社の預金口座から第三者の口座に送金し自身に還流させるケースなど、経理の従業員による横領
・会社で購入して保管している郵便切手の管理者が、使用済みと偽って、郵便切手を横領して、換金するケースなど、会社の郵便切手管理者が切手を横領
など会社・職場内部の会社・勤務先を被害者とする犯罪であることが多い罪です。
したがって、業務上横領罪は津城、会社・勤務先の監査などから発覚します。
業務上横領罪は刑法253条に規定されています。
刑法253条
業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、10年以下の懲役に処する。
単純な横領罪との違いは「業務上」の横領かどうかという点と、法定刑が異なることです(単純横領罪は5年以下の懲役)。
「業務」とは、「社会生活上の地位に基づいて反復・継続して行われる事務」をいうとされています。なお、「業務」は報酬、利益を目的とする事務でなくてもよいとされています。
横領罪は、物の所有者と占有者(Aさん)との間にある信頼関係(委託信任関係)を破った点を非難される罪であるところ、業務上横領罪は、物の占有が業務上の信頼関係に基づくものであるため、横領罪よりもさらに刑が加重されているのです。
~ 刑事告訴されると ~
刑事告訴は、会社があなたを業務上横領罪で処罰してください、という捜査機関に対する意思表示です。
通常、告訴は告訴状という書面によってなされます。
捜査機関が告訴状を受理すると、あなたに対する取調べ、自宅の捜索などの捜査がはじまります。
また、場合によっては逮捕される可能性もあります。
したがって、捜査機関に告訴されるか否かはあなたの生活にとっても非常に大切な分岐点となります。
~ 刑事告訴、警察の捜査を回避するなら ~
そこで刑事告訴、警察の捜査を回避する必要があります。
そのためには、なによりもまず、会社側と示談交渉をすることが先決です。
そして、円滑、円満に示談を成立させるためには弁護士に示談交渉を依頼されることをお勧めいたします。
確かに、弁護士費用は安いものではありませんし、弁護士費用とは別に示談金を準備しなければならず、特にお金に困っている方にとっては弁護士に依頼するかどうか悩まれるところではないでしょうか?
しかし、弁護士に示談交渉を依頼すれば、交渉しだいでは支払期限に関して先延ばししてもらったり、支払い方法に関して分割を認めてもらうなど、様々な条件について少しでも有利に交渉を進めてくれます。そして何より、示談が成立させ相手方から刑事告訴しないと約束してもらえれば、
逮捕されない
という安心感を得ることが最大のメリットを得ることができます。
まずは、こうしたことを踏まえて、弁護士に依頼されるかどうか判断されてみてください。