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滋賀県草津市 無料相談 往来妨害事件 | 刑事事件の弁護士ならあいち刑事事件総合法律事務所

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滋賀県草津市 無料相談 往来妨害事件

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 京都支部

 

電車の往来妨害事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 京都支部が解説します。

滋賀県草津市に住むAさんは鉄道会社で働いていますが、勤務中に上司から嫌がらせを受けることが多くうんざりしていました。
そこでAさんは上司に復讐をしようと、脱線事故を起こしてその事故を上司のせいにする計画を考えました。
その計画でAさんはブレーキを外した状態で無人電車を発進させることで脱線事故を起こすつもりでしたが、その際には脱線により電車が停止すると考えていました。
しかし実際にAさんが無人電車を発進させたところ、電車は脱線せず先行していた電車にぶつかってしまいました。
その衝撃で電車は大破してしまったのですが、Aさんにはどのような罪が成立するのでしょうか。
(この話は事実を基にしたフィクションです。)

~往来を妨害する罪~

本件でAさんはブレーキを外した状態で無人電車を発進させているところ、このような行為は鉄道による交通の安全を害する行為であるといえます。
なので、この行為をしているAさんには往来を妨害する罪が成立する可能性があります。
今回は往来を妨害する罪はどのような場合に成立するのかを説明していきます。

まず、往来を妨害する罪としては往来危険罪(刑法125条1項)があります。
刑法125条1項 「鉄道若しくはその標識を損壊し、又はその他の方法により、汽車又は電車の往来の危険を生じさせた者は、2年以上の有期懲役に処する。」

そして同罪における「往来の危険」は実際に実害が発生することや実害の発生が必然であることまで必要とするものではなく、汽車等が転覆・脱線等する可能性があれば足るとされています。
これを本件についてみてみると本件Aさんの行為は鉄道が脱線する可能性が高い行為であり、「往来の危険」が発生していると認められると考えられます。

ただそうだとしても、Aさんの行為は往来危険罪で定められた「その他の方法」として求められるのでしょうか。
大きな石や鉄製のごみ箱をレール上・軌道上に投げ込む行為などが「その他の方法」として認められますが、過去の判例(最大判昭和30年6月22日)では無人電車を暴走させる行為も「その他の方法」に当たると述べられました。

この判例の考えを用いると、本件Aさんの行為も「その他の方法」にあたる可能性が高いです。
よって、Aさんには往来危険罪が成立すると考えられます。

そして、Aさんが発進させた無人電車は先行電車にぶつかっています。
これによって電車が大破しているので、Aさんには往来危険電車破壊罪(刑法127条)が成立する可能性があります。
刑法127条 「第125条の罪を犯し、よって汽車若しくは電車を転覆させ、若しくは破壊し、又は艦船を転覆させ、沈没させ、若しくは破壊した者も、前条の例による。」

ここで電車破壊罪(刑法126条1項)では「現に人がいる」ことを要件とされていることから、往来危険電車破壊罪の要件にも人が現にいることが必要となるようにも思われます。
しかし、電車破壊罪が往来の安全と人の生命・身体を保護する趣旨であるのに対して往来危険電車破壊罪は往来危険罪が汽車などの転覆・破壊を生じる危険性の高いことから重い刑罰を定めたものです。
また条文にも人の現在は要求されていないことを考えると、人が現にいることは往来危険電車破壊罪の要件には不要であると考えるのが妥当です。
このように考えると、Aさんの行為には往来危険電車破壊罪も成立します。

~参考条文~
刑法125条2項 灯台若しくは浮標を損壊し、又はその他の方法により、艦船の往来の危険を生じさせた者も、前項と同様とする。
刑法126条1項 現に人がいる汽車又は電車を転覆させ、又は破壊した者は、無期又は3年以上の懲役に処する。

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