東京浅草 逮捕 万引きで釈放
- 2021.08.22
- コラム
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 東京支部
万引きで釈放後の弁護人について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
Aさんは,浅草駅のディスカウントストアにおいて、数万円分の電化製品を万引きしたところ店員に見つかり、駆け付けた浅草警察署の警察官に窃盗罪で逮捕されました。その後、余罪捜査の結果、Aさんは他店でも同様の犯行を繰り返していたこと、すべて換金目的で行っていたことが判明しました。Aさんには国選弁護人がついていましたが、勾留中に釈放されたことから、国選弁護人は弁護活動をしてくれなくなりました。そこで、Aさんは私選弁護人を探すことにしました。
(この事案はフィクションです)
~換金目的での万引きは窃盗罪~
万引きの目的は
〇 お金がない
〇 商品が欲しい
〇 ストレス発散
など人それぞれですが、換金目的、すなわち万引きした商品を質屋などで売る目的で万引きする方もおられます。
換金目的とはいえ、結局のところ「お金欲しさ」、「お金がない」というのが本当の目的でしょう。
ただ、目的が何であれ、万引きは窃盗罪にあたる立派な犯罪です。
(窃盗)
第二百三十五条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
そして、換金目的での万引きは、処分や量刑が重たくなる傾向があります。
単なる万引きに比べて計画性があり、かつ、商品を換金してお金を得ている点で悪質だと考えられるからです。
~勾留中に釈放~
警察に逮捕され、身柄拘束を継続する必要があると判断された場合、その後検察庁へ送致される(送検)手続きが取られます。
そして、検察庁でも身柄拘束を継続する必要があると判断された場合、勾留請求され、さらに、勾留請求を受けた裁判官も身柄拘束を継続する必要があると判断した場合は勾留されます。
ところが、勾留中に釈放されることもしばしばあります。
そもそも、勾留されるのは罪証隠滅のおそれ、逃亡のおそれがある認められる場合に身柄を拘束されるわけですから、反対にこれらの事情が認められない場合は身柄拘束を継続する必要はなく、直ちに身柄を釈放しなければなりません。
理湯はわかりませんが、今回のAさんも勾留中に釈放されています。
~釈放後の弁護人に注意~
ただ、釈放されたからといって安心してはいけません。
そもそも、まだ事件の処分や刑罰は何ら決まっていないからです。
今後、起訴され、裁判を受け、裁判で懲役(実刑、執行猶予)などを受ける可能性も残されています。
また、国選弁護人は、基本的には勾留中、すなわち身柄を拘束している間しか活動してくれません。
そのため、釈放された後は、弁護人が付かない状態となってしまうのです。
しかし、前述のとおり、Aさんには起訴や刑罰の可能性が残されているわけですから、それを回避するためには私選弁護士に刑事弁護を依頼する必要があります。
そして、特に、被害者との示談が必要という場合には私選弁護士を選任する必要性は高いでしょう。
ご自身で示談交渉しようとしても通常、被害者は当事者である加害者と示談交渉することはないからです。
また、被害者の連絡先を知らない場合、捜査機関に被害者の連絡先を聞く必要がありますが、捜査機関は加害者に被害者の連絡先などを教えません。したがって、被害者との示談を希望する場合は私選の弁護人を選任するしかありません。
さらには、在宅事件でも身柄事件と同様に厳しい取調べを受けることが予想されます。厳しい取調べにしっかり対応するためにも弁護士の力はぜひとも必要です。
浅草警察署 東京都台東区浅草4丁目47-11 03-3871-0110