横浜市中区 逮捕 窃盗事件と誤認逮捕
- 2020.05.11
- コラム
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 横浜支部
窃盗事件と誤認逮捕について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。
横浜市中区に住むAさんんはタクシー強盗を行ったとして、神奈川県加賀町警察署に逮捕されてしまいました。タクシーに設置されていたドライブレコーダーの映像が逮捕の決め手となったようです。しかし、Aさんはタクシーに乗ったことは認めるものの、強盗はやっていないとタクシー強盗の事実を否認しました。また、逮捕直後に接見に来た弁護士にもタクシー強盗はやっていないと話しました。そこで、弁護士が警察、検察に対して働きかけを行ったところ、誤認逮捕だったことが判明し、Aさんは勾留2日目にして釈放されました。
(フィクションです。)
~誤認逮捕とは~
誤認逮捕とは、罪を犯していないのに逮捕されてしまうことです。
逮捕後は警察の留置施設に収容され、釈放されるまではそこで生活しなければなりません。日常生活を送れなくなってしまい、逮捕された方にとっては肉体的も精神的にも負担です。
拘束の期間は逮捕後勾留までは約3日間、勾留後ははじめ10日間、その後やむを得ない事由がある場合は最大10日まで延長されます。逮捕後勾留まで、あるいは勾留後も釈放の機会はいくらでもありますから、誤認逮捕の場合は弁護士から捜査機関、裁判所へ働きかけを行ってもらうなどして一刻もはやい釈放を目指す必要があります。
~誤認逮捕が起こる理由:映像に潜む危険性)~
誤認逮捕が起こる理由は見間違い、勘違い、思い込みなど様々です。証拠の評価は機械ではなく人(捜査員である警察官、検察官など)によって行われますから、見間違い、勘違い、思い込みなどによって、別の人を犯人だと思い誤認逮捕する危険は全くないとは言い切れません。
特に、防犯ビデオ映像やドライブレコーダーなど映像などについては、そこに記録されている映像が絶対的なものだと勘違いしやすく、適正な証拠の精査、吟味、評価という過程が経られないまま「逮捕の決め手」としての証拠として使われる危険があります。
今回のAさんの誤認逮捕の決めてとなったドライブレコーダーの映像の内容は不明ですが、おそらく映像の内容の精査、吟味、評価という過程が経られないまま逮捕に至ってしまった可能性があります。
~誤認逮捕されてしまった場合の対処法~
刑事事件で誤認逮捕はめったに起こるものではありませんが全く起きらないと言い切ることもできません。
現に、防犯ビデオ映像やドライブレコーダーの普及が進んできた現代でも誤認逮捕は起きているのです。
したがって、「自分は刑事事件には関係ない」と思い込んだいるあなたも誤認逮捕の被害に遭うおそれは全くないとは言い切れないのです。
誤認逮捕に遭った場合は、何よりもまず逮捕事実を認めてはいけません。認めてしまうと、仮に後で否認したとしてもあなたの供述自体が信用でいないとみなされ、否認した供述も信用されなくなるおそれがあります。
また、否認するといっても積極的に捜査員に対抗するのではなく、否認する(事実を認めない)旨の供述をした後は黙秘することが大切だと考えます。捜査員は取調べのプロですから下手に対抗すると上げ足をとられ、出口の見えないトンネルへと深みにはまってしまう危険があります。
最後に弁護士をはやめに呼ぶことが大切です。弁護士であれば、あなたの代わりになって捜査機関や裁判所に主張を伝え、働きかけを行ってくれます。