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東京町田 殺人事件と責任能力 | 刑事事件の弁護士ならあいち刑事事件総合法律事務所

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東京町田 殺人事件と責任能力

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 東京支部

 

殺人事件の責任能力について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

都内に住むAさんは知人Vさんと以前から仲が悪かったため、なんとかしてVさんのことを殺害しようと考えました。
ただAさんは素面のままでは殺害計画を実行することはできないと考え、町田支に住んでいるVさん宅に向かう前に大量のアルコール飲料を摂取することにしました。
その結果Aさんは自分がなにをしているかも認識できないほどに泥酔してしまいましたが、アルコールの影響で気が大きくなり、意識が朦朧とする中でVさん宅まで赴きVさんのことをナイフで刺し殺しました。
町田警察が捜査に乗り出しました。このような場合、Aさんにはどのような罪が成立するのでしょうか。
(この話は事実を基にしたフィクションです。)

~原因において自由な行為の理論~

まず本件でAさんはVさんのことをナイフで刺し殺しているので、このようなAさんの行為には殺人罪(刑法199条)が成立すると思われます。
刑法199条 「人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。」

もっともAさんはVさんを殺害した時点で自分が何をしているのかも認識できないほどに泥酔してしまっています。
このような場合にもAさんを罰することは許されるのでしょうか。

刑法では刑罰を科すには犯罪を実行する時点で責任能力が必要とされており、責任能力に欠ける責任無能力者の行為には不処罰、責任能力が著しく減退している限定責任能力者による行為には刑の減軽が認められています。
具体的な条文としては責任無能力については心身喪失が刑法39条1項、限定責任能力については心神耗弱が刑法39条2項で定められています。
刑法39条1項 「心神喪失者の行為は、罰しない。」
刑法39条2項 「心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。」

心身喪失者とは精神の障害等の事由により物事の善悪を弁識する能力(弁識能力)又はそれに従って自身の行動を制御する能力(行動制御能力)が失われた状態をいい、心神耗弱とは精神の障害等の事由により弁識能力又は行動制御能力が著しく減退している状態をいうと考えられています。
簡単にいうと、病的な疾患や覚せい剤の使用により精神障害に陥っている状態における行為は罰されない又は刑が減軽される可能性があるということです。

これを本件について見てみると、Aさんは自らの行為を認識できないほどに泥酔しています。
そうだとするとAさんは弁識能力又は行動制御能力が失われているといえ、心神喪失状態に陥っていると判断される可能性が高いです。
このように判断されると、Aさんの行為は処罰されません。

ただAさんは殺害計画を実行するために大量のアルコール飲料を摂取しており、自ら心神喪失状態を招いています。
それにもかかわらず泥酔状態にあるからといってAさんが処罰されないのは妥当ではないように思えます。
そこでAさんに「原因において自由な行為の理論」を適用することによって、Aさんを処罰できないかが問題となります。

原因において自由な行為の理論とは、責任能力がある状態による自らの行為により責任無能力又は限定責任能力の状態を招いた場合には責任無能力等の状態による行為についても完全な責任を問うことができるとする理論です。
このような考えを用いることにより、心神喪失状態等に行われた行為についても犯罪が成立することとなります。

もっとも無制約に原因において自由な行為の理論を適用していたのでは、刑法39条が定められた趣旨を害することになってしまいます。
そこで原因において自由な行為の理論の適用が認められる根拠が問題となります。

この根拠については様々な考え方が存在するのですが、原因行為(飲酒や薬物の使用等責任能力を欠く原因となった行為)に基づいて結果行為(犯罪を実現させる行為)が行われたといえる場合に原因において自由な行為の理論が認められるとする考えが有力な考えの一つです。
その際の判断要素としては、犯罪を行う意思が原因行為時から結果行為時にかけて連続しているか等が考慮されます。

これを本件についてみてみるとAさんはアルコール飲料を摂取する段階からVさんを殺害する意思を有しており、その意思はVさんを殺害する時点でも継続していたと考えられます。
また、Aさんがアルコール飲料を摂取した時点で責任能力に欠けるといった事情は存在しません。
そしてアルコールを摂取したことによりAさんは気が大きくなってVさんをナイフで刺し殺しているところ、原因行為に基づいて結果行為が行われたと判断される可能性が高いです。

以上より、Aさんに原因において自由な行為の理論が適用されると考えられます。
この場合、Aさんの行為には殺人罪が成立します。

 

町田警察署 東京都町田市旭町3丁目1-3 042-722-0110

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