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東京羽田 逮捕 未成年者拐取罪(誘拐) | 刑事事件の弁護士ならあいち刑事事件総合法律事務所

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東京羽田 逮捕 未成年者拐取罪(誘拐)

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部

 

未成年者拐取罪(誘拐)について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

2021年11月、東京都大田区在住のAは、羽田空港内でM(7歳)を見かけた際、Mを誘拐しようと考えた。Mがトイレに行くために一人になったところ、AはMに対し、「ここのトイレは今使えないよ。僕が使えるトイレに案内するね。」と言い、Mを別の場所に連れ去った。Mの両親は、Mが中々帰って来ないため不審に思い、羽田空港内を捜したが見つからなかったので、東京空港警察署に通報した。その後Aは空港外にてMを連れているところを発見され、東京空港警察署に逮捕された。

この場合、Aは何の罪に問われるでしょうか。

*フィクションです。

 

・未成年者拐取罪の成否

未成年者の連れ去り事件はテレビドラマ等でよく見ますが、実際にどの条文が適用されるのかについては、知らない方が多いのではないでしょうか。今回のケースでは羽田空港内で未成年者が誘拐された場合です。この場合、どのような罪が成立するのか、以下検討します。今回問題となる未成年者拐取罪については、刑法224条に記されています。

 

第224条(未成年者略取及び誘拐)

未成年者を略取し、又は誘拐した者は、3月以上7年以下の懲役に処する。

 

犯罪が成立するには、「構成要件に該当し違法且つ有責な行為」である必要があるので、構成要件に該当するか、から検討します。

第一に、「未成年者を」です。これは、本罪の客体が未成年者であることを示した文言です。なお、既婚者であっても、満20歳になるまでは本罪の客体に含まれるとされています。今回のケースでは、Mは7歳なので、「未成年者を」に該当します。

第二に、「略取し、又は誘拐した者」です。略取と誘拐は併せて「拐取」と呼ばれ、拐取とは、「他人をその生活環境から不法に離脱させ、自己又は第三者の事実的支配下に移す行為」をいいます。そして、両者の違いはその手段にあります。「略取」とは、暴行・脅迫を手段として行う場合をいい、「誘拐」とは、欺罔・誘惑を手段として行う場合をいいます。今回のケースでは、Aは、トイレに一人で行こうとしているMに対し、「ここのトイレは今使えないよ。僕が使えるトイレに案内するね。」と言い、Mを別の場所に連れ去りました。かかる言動は嘘のトイレの場所を伝える内容であるので、欺罔行為に該当するといえます。また、これを手段として、Mを両親のいる空港内から、Mの両親が捜しても見つからない空港外へ連れ去っているので、「他人をその生活環境から不法に離脱させ、自己又は第三者の事実的支配下に移」したといえます。したがって、AはMを「誘拐」しているといえます。よって、Aは「誘拐した者」に該当します。

 

次に違法性です。今回は正当防衛が問題とはなりませんが、Mが誘拐行為に承諾していると捉え、違法性が阻却され、本罪が成立しないという考えもあるといえます。しかし、本罪の保護法益(条文が保護することを予定している法律上の利益)は、被拐取者の自由と親権者等の監護権と考えるのが一般的です。判例では、A女が実子同様に養育していた未成年者Vを誘惑させ、Xの家に来れば着物等をもらえるかのように思い込ませ、監督者であるA女の意思に反しVを拐取した事案において、「未成年者誘拐罪の保護法益は、被拐取者である未成年者の自由のみでなく、両親、後見人等の監護者又はこれに代り未成年者に対し、事実上の監護権を有する監督者などの監護権にある。…監護者の意思に反して、未成年者を拐引する行為は、たとえ、未成年者の同意があっても、その同意は該行為の違法性を阻却するものでない」と判示しています(福岡高判昭31・4・14)。今回のケースでは、監護者である両親が東京空港警察署に通報しているため、両親の意思に反しているといえます。よって、違法性は阻却されません。

 

最後に責任ですが、Aは心神喪失者等でないので、以上見てきたことをまとめるとAの行為に未成年者誘拐罪(224条)が成立するといえそうです。

 

・営利目的等略取及び誘拐罪について

刑罰について解説する前に、本罪と類似した犯罪について少し解説します。

今回のケースで、仮にAがMと性的行為をする目的を有していた場合、営利目的等拐取罪(225条)が成立する可能性があります。

 

第225条(営利目的等略取及び誘拐)

営利、わいせつ、結婚又は生命若しくは身体に対する加害の目的で、人を略取し、又は誘拐した者は、1年以上10年以下の懲役に処する。

 

本罪は拐取行為をした者が「営利、わいせつ、結婚又は生命若しくは身体に対する加害の目的」を有していた場合に成立する罪です。単に誘拐目的を有している場合より、上記目的を有している方が、性質上保護法益に対する侵害が強度であるので、本条は224条より重く処罰されます。

「営利」目的とは、拐取行為によって自ら財産上の利益を得、又は第三者に得させる目的をいいます。「わいせつ」目的とは、被拐取者に対して、自ら又は第三者をして性交、その他の性的行為をするか、被拐取者に係る行為をさせる目的をいいます。なお、ストリップ劇場でわいせつ行為をさせて利益を得る目的の場合は「営利」目的に当たります。「結婚」目的とは、行為者又は第三者と結婚させる目的をいいます。結婚には事実上の結婚(内縁)も含みます。「生命若しくは身体に対する加害の目的」とは、行為者又は第三者が対象者を殺害し、傷害し、又はこれに暴行を加える目的をいいます。

 

今回のケースで、上記目的を有していた場合、224条は225条に吸収され、225条のみが成立します。

 

・刑罰について

では成立したとしてどのような刑罰が科せられるでしょうか。本条では「3月以上7年以下の懲役に処する。」と書かれています。よって、期間については文言通り「3月以上7年以下」となります.

 

・まとめ

よって、Aの行為は未成年者誘拐罪(224条)にあたり、「3月以上7年以下」の懲役が科せられるということになります。

刑に関しては、前科の有無、情状酌量の余地の有無等によって変わります。

 

 

東京空港警察署 〒144-0041 東京都大田区羽田空港3丁目4-1 TEL:03-5757-0110

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