0120631881 ムザイ ハヤイ 通話無料 即日対応/年中無休/24時間無料相談受付
メールでのお問合わせ

MENU

東京渋谷 無料相談 交通事故と信頼の原則 | 刑事事件の弁護士ならあいち刑事事件総合法律事務所

刑事事件・少年事件に強いあいち刑事事件総合法律事務所へお任せください。

刑事事件あいち刑事事件総合法律事務所

0120631881 ムザイ ハヤイ 通話無料 即日対応/年中無休/24時間無料相談受付
メールでのお問合わせ

東京渋谷 無料相談 交通事故と信頼の原則

東京都渋谷区住むAさんは交通量の多い国道を車で運転していた際、老人Vさんが一人で道路脇の歩道を通行しているのを認識しました。
歩道を通行しているVさんがいきなり車道に出てくることはないだろうと考えて、Aさんがそのままスピードを落とさずに走行を続けていたところ、その考えに反してよろけたVさんが車道に出てきてしまいました。
その結果、Aさんが運転していた車がVさんに当たり、Xさんは全治数か月の重傷を負いました。
このように,Aさんが交通事故を起こしてしまった場合、Aさんにはどのような罪が成立するのでしょうか。
(この話は事実を基にしたフィクションです。)

 

~信頼の原則~

本件でAさんは運転していた自動車をVさんにぶつけて怪我を負わせてしまっているので、このようなAさんの行為は「自動車の運転上必要な注意を怠」ったとして過失運転致傷罪(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条)が成立すると思われます。

ただ本件でAさんはVさんがいきなり車道に出てくるとは思っておらず、Vさんがそのまま歩道を通行することを信頼していたといえます。
このような場合にもAさんの行為に過失運転致傷罪の成立を認めてもよいのでしょうか。
ここで本件において信頼の原則が適用されないかが問題となります。

 

信頼の原則とは、他人が適切な行動をとるだろうと信頼することが相当といえる場合には、たとえその他人が信頼とは異なった不適切な行動をしたことによって何らかの被害が生じたとしても、行為者はその被害についての過失責任を負わない原則のことをいいます。
簡単に言うと、社会的に相当とされる行為を相手方がとらなかったことにより被害が生じた場合には行為者はその過失責任を問われないということです。

これを本件について見てみると、通常の歩行者はいきなり車道には飛び出してこないので、歩道を通行している歩行者がそのまま同じ道を通行するであろうと信頼することは社会的に相当であると考えられます。
そうだとすると、本件においてもVさんが歩道をそのまま通行するとAさんが信頼することは社会的に相当なものとして信頼の原則が適用され、Aさんは過失責任を負わないようにも思えます。

 

もっとも本件での被害者Vさんは、一般的な成人男性に比して身体機能が衰えてきている老人です。
このように被害者が老人の場合でも例外なく信頼の原則を適用してもいいのでしょうか。

この点について過去の判例(東京高判昭和42年9月21日)では、交通環境の整備や交通道徳の普及が存在する場合には信頼の原則の適用があるが、被害者が幼児、老人、身体障害者、飲酒酩酊者等の場合には信頼に反して予想外の行動をとる可能性が高いので、信頼の原則を適用することは認められないと述べられました。

この判例の考え方を用いると、本件の被害者も老人であるVさんなので、Aさんに信頼の原則は適用されません。
以上より、Aさんの行為には過失運転致傷罪が成立すると考えられます。

過去に信頼の原則が適用された裁判(最判昭和41年6月14日)としては、私鉄駅の乗客係によって下車させられた酔客が線路に落ち電車とホームの間に挟まれて死亡した事案について、乗客係の過失が問われた例があります。
その判旨では、以下のように述べられました。
「乗客係が酔客を下車させる場合においても、その者の酩酊の程度や歩行の姿勢、態度その他外部からたやすく観察できる微表に照らし電車との接触、線路敷への転落などの危険を惹起するものと認められるような特段の状況があるときは格別、さもないときは、一応その者が安全維持のために必要な行動をとるものと信頼して客扱いをすれば足りる」と述べられました。

この判例は、電車との接触等を予測させるような特別な事情がない限り、乗客係が酔客を下車させる場合に一応その客が自らの安全維持のために必要な行動をとるであろうと信頼することは社会的に相当であるとし、信頼の原則を適用することにより過失犯の成立を否定しました。

 

なお、本件においてAさんが飲酒等していた場合には危険運転致死傷罪(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第2条)が成立する可能性が高いです。

 

~自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律~

第2条 「次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は15年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は1年以上の有期懲役に処する。
一 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為~」
第5条 「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除する。」

ピックアップコラム

あらゆる刑事事件に精通しています!

  • 脅迫・暴行罪

    脅迫・暴行罪

  • オレオレ詐欺

    オレオレ詐欺

コラム

Top