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東京玉川 逮捕 放火予備 | 刑事事件の弁護士ならあいち刑事事件総合法律事務所

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東京玉川 逮捕 放火予備

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部

 

放火予備について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

2021年12月、東京都世田谷区在住のQは、仕事上のトラブルから、職場である建物Wに火をつけるため、Wから約3km離れたコンビニエンスストアでライターを1つ購入し、続いてWから約1km離れたガソリンスタンドで灯油を2L購入した。Qは、そのままWに向かい、Wの1階ロビーにて灯油をまき散らした後、ライターで火をつけようとポケットに手を入れていたところ、その様子を見ていた警備員に身柄を確保され、その後Qは玉川警察署に逮捕された。QがWに立ち入った際、W内には多くの人がいたが、放火前に身柄が確保されたので、負傷者は出なかった。

この場合、Qは何の罪に問われるでしょうか。

*フィクションです

 

・放火予備罪の成否

放火の罪については、実際に建物等を燃焼させなくても罪に問われることがあります。今回のケースでは、建物に火をつける前の場合です。この場合、どのような罪が成立するのか、以下検討します。今回問題となる放火予備罪については、刑法113条、108条に記されています。

 

第113条(予備)

第108条又は第109条第1項の罪を犯す目的で、その予備をした者は、2年以下の懲役に処する。ただし、情状により、その刑を免除することができる。

第108条(現住建造物等放火)

放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。

 

犯罪が成立するには、「構成要件に該当し違法且つ有責な行為」である必要があるので、構成要件に該当するか、から検討します。

第一に、「第108条又は第109条第1項の罪を犯す目的で」ですが、これは後述する予備行為の対象となる実行行為の、主観的要素について記した規定です。108条は現住建造物等放火罪、109条は非現住建造物等放火罪について記されています。どちらも共通するのは①客体が建造物等である点、②客体が自己所有でない点です。放火の罪については109条2項や110条などもありますが、これらは上記2点を満たしていないので、予備罪が成立しません。今回のケースでは、Qは職場である建物Wへの放火を企てており、Wは事件当時「現に人がいる建物」でした。よって、Qは「第108条…の罪を犯す目的」を有していたといえます。

 

 

第二に、「その予備をした者」です。「その」とは、第108条又は第109条第1項の行為を指します。「予備をした」とは、「(実行行為に至らない)準備行為」を指します。よって、以上より本条をまとめると、「現住建造物放火罪の(実行行為に至らない)準備行為をした」となります。

実行行為とは、「法益侵害の現実的危険性を有する行為」をいい、実行行為を開始したかどうかの判断基準は、「構成要件的結果発生の現実的危険性を惹起する行為を開始した時点に実行の着手を認める」というのが一般的です。簡単に言うと、結果を起こす恐れのある行為を開始した瞬間からということです。≪予備罪の詳細な解説は【ケース38】を参照してください。≫

今回問題となっている108条の実行行為である「放火」とは、「客体の燃焼を惹起させる行為」であり、結果である「焼損」とは、「火が媒介物を離れて目的物が独立に燃焼を継続し得る状態に達したこと」であるとされています。よって、今回の場合は、Qが「W焼損の結果を起こす恐れのある行為(=放火)を開始した瞬間」があったかどうかが争点となります。

今回のケースでは、QはWの1階ロビーにて灯油をまき散らした後、ライターで火をつけようとポケットに手を入れていたところ、身柄を確保されました。灯油は可燃性の液体ですが、ガソリンなどと比べて揮発性が低く、一般的に火をつけない限りは燃焼しません。よって、右行為が108条の実行行為を開始したと判断される可能性は低いでしょう。もっとも、Qはライターと灯油を購入したうえ、Wの1階ロビーで灯油をまき散らしており、そのまま火をつければ当該場所が燃え、建物に火が移る可能性があるといえるので、上記行為は少なくとも現住建造物放火罪の準備行為にあたるといえます。よって、Qは「その予備をした者」に該当します。

 

次に、違法性と責任ですが、違法性に関しては正当防衛(刑法36条1項)などの事実はなく、責任に関してもQは心神喪失者等でないので、以上見てきたことをまとめるとQの行為に放火予備罪(113条、108条)が成立するといえそうです。

・刑罰について

では成立したとしてどのような刑罰が科せられるでしょうか。本条では「2年以下の懲役に処する。」と書かれています。よって、期間については「1月以上2年以下」となります。なお、「ただし、情状により、その刑を免除することができる。」と書かれているので、場合によっては刑が免除されます。

 

・まとめ

よって、Qの行為は放火予備罪(113条、108条)にあたり、「1月以上2年以下」の懲役が科せられ、場合によっては刑が免除されるということになります。

刑に関しては、前科の有無、情状酌量の余地の有無等によって変わります。

 

 

玉川警察署 〒158-0091 東京都世田谷区中町2丁目9-22 TEL:03-3705-0110

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