0120631881 ムザイ ハヤイ 通話無料 即日対応/年中無休/24時間無料相談受付
メールでのお問合わせ

MENU

東京都赤羽 逮捕 介護殺人事件 | 刑事事件の弁護士ならあいち刑事事件総合法律事務所

刑事事件・少年事件に強いあいち刑事事件総合法律事務所へお任せください。

刑事事件あいち刑事事件総合法律事務所

0120631881 ムザイ ハヤイ 通話無料 即日対応/年中無休/24時間無料相談受付
メールでのお問合わせ

東京都赤羽 逮捕 介護殺人事件

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部

 

介護殺人事件について,弁護士法法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

2020年7月、東京都北区在住のCは65歳で、90歳の母親の介護をしながら生活をしている。Cの父親はCが10歳の時に亡くなっており、女手一つで育ててきてくれた母親に恩返しをしたいという思いから、2000年7月から20年間一人で母親の介護をしていた。母親は認知症を患っており、足腰も衰弱しているため、家事だけでなく、食事から排泄まで、24時間付きっきりで介護をしていた。介護を始めた当初は恩返しと言う思いが強かったものも2020年現在においては、介護の疲労やストレスから、Cはうつ病をはじめ精神障害を負っていた。7月10日、Cの精神障害の症状が悪化し、パニック状態から、母親の鼻や口をタオルでふさいで窒息死させた。症状が落ち着いたCは、母親を殺してしまったことを悔やみ、赤羽警察署に出頭し,逮捕されました。その後の赤羽警察署の調べによって、事件当時Cが心神喪失状態であったことが明らかになった。
この場合Cは罪に問われるのでしょうか。

・殺人罪が成立するのか

近年の日本社会は高齢化しているため、親や親戚の介護をする人が多くなっています。それに伴い、介護者がその疲れから被介護者を殺してしまうケースも増えています。今回のケースもその一例です。では実際に殺人罪が成立するのか検討します。犯罪が成立するには、「構成要件に該当し違法且つ有責な行為」である必要があるので、まずは構成要件に該当するかから検討します。
殺人罪は刑法199条に記されています。

第199条(殺人罪)
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。

第一に、「人を」ですが、これは自然人つまり私たち人間であり、行為者以外を指します。今回のケースでは、被害者である母親は勿論人間であるため、本罪に該当するといえます。第二に、「殺した」ですが、これは自然の死期以前に人の生命を断絶する行為とされています。今回のケースでは、母親は認知症を患っており、足腰も衰弱しているものの、Cの行為以前は通常通り生きており、そしてCの鼻や口をタオルでふさぐ行為によって死亡したため、本罪に該当するといえます。
次に違法性についてですが、正当防衛(36条1項)などの事実がないので、これも問題ありません。
よってCの行為に殺人罪が成立するといえそうですが、最後の責任について問題があるといえます。

・責任について

これまでのケースと異なり、今回は行為者が事件当時心神喪失状態であったとされています。これによって責任がないとされるですが、そもそも責任とは何なのでしょうか。刑法では、責任とは「道義的非難可能性」とされており、簡単にいってしまえば、一般的に見てこれはダメと言われる可能性です。そして、一般的に見てダメな行為と分かっていて止めることができたにもかかわらず行為に出たのであれば、その人の行為はダメだと言うことが正当化されます。ということは、「有責な行為」とは責任がある、つまり一般的にみてダメな行為と分かっていて止めることができたのにその行為をしたら犯罪が成立するということです。
そしてその判断材料として、行為者に責任能力があるかを検討します。責任能力とは、①弁識能力と②行動制御能力を指します。これは行為の違法性を弁識し、それに従って自己の行為を制御する能力、つまり、一般的に見てダメな行為と分かることができ、分かったところに従い行為を止めることができる能力です。今回のケースでいえば、母親を殺すことが違法であると認識し、そして殺すことを思いとどまる能力といえます。Cは事件当時、心神喪失状態であったとされています。この心神喪失状態については刑法39条に記されています。

第39条(心神喪失及び心神耗弱)
1 心神喪失者の行為は、罰しない。
2 心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。

心神喪失とは、精神の障害により弁識能力と行動制御能力を欠く状態を指します。つまり先ほど解説した責任能力がない状態です。また、心神耗弱は、弁識能力と行動制御能力が著しく低い状態を指します。精神の障害とは、今回のケースのうつ病などが当たります。そして行為者の精神状態が行為当時に心神喪失又は心神耗弱にあたるかどうかについては、判例では、専門家である精神医学者による鑑定を原則として尊重すべきとしつつも、最終的判断にはかかる鑑定に拘束されることなく、法律判断として裁判官が総合判断することとなっています。今回のケースでいえば、赤羽警察署の調べによってCが心神喪失状態であったとされたものの、裁判官の判断で39条1項が適用されない可能性もあるということです。

・まとめ
よって、Cの行為は殺人罪(199条)にあたるが、心神喪失状態(39条1項)と認められれば無罪ということになります。心神耗弱状態(39条2項)と認められれば罪には問われますが、刑を減軽されます。
刑の最終的判断は裁判次第です。

ピックアップコラム

あらゆる刑事事件に精通しています!

  • 脅迫・暴行罪

    脅迫・暴行罪

  • オレオレ詐欺

    オレオレ詐欺

コラム

Top